「なんか、友達がソコの監査部で働いてるらしくって。
私はエリートに興味ないけど、知り合って損はないじゃん!?」
ニヤリとほくそ笑む泉は、女豹のよう・・・
「ハハ・・・
パワフルだね・・・」
掴んだ獲物は離さないって、感じ?
GELの社員は、超エリート集団。
お近づきになりたいと、願う女性は多い筈だし。
「恋愛至上主義者としては、当然よっ!
だからね、川崎さんのこと探り入れとくわ!」
「ええー!?
い、いいよ・・・そんな・・」
突拍子もナイ言葉に、オロオロと否定するも。
「な~に遠慮してんの。
“溺れる者は藁をも掴む”って言うじゃん?
こういう時に利用するために、日々動いてんのよ?」
“溺れる者は藁をも掴む”って・・・
利用用途が違ってますが――?
コンパ好きなのも、生来のクセに――
反論したいけれど、触らぬ……だし。
苦笑いをしたまま、どうにもできない私。
「よぉ~し!
コイツに連絡取っておくから、全て私に任せて!」
闘志を漲らせる泉に、ポカンとしてしまった。

