泉の人さし指は、私の頬をツンツンとさしてくる。
・・・まるで、早く認めろ!と言いたげに――
「・・恋愛を捨てた女が、ありえない――」
頭を振って、思いきり否定した。
仕事に生きていくと、決めているのに。
亜実の為に、2人で頑張ると決めているのに。
・・・絶対に、そんなのあり得ないよ。
コクンと頷いてしまえば、何かが変わりそうで怖い――
「・・・あのねぇ。
アンタがいくら否定しても、気持ちは誤魔化せないわよ?
それに…今考えてることは、都合よく利用してるだけよ。」
怒ることなく、実に冷静な口調の泉。
最後の言葉には当然、ドキッとさせられた。
亜実と仕事に執着している――
それを気づかれていたコトに・・・・
「・・・うん、そうだね――」
このままで、いつまでも良いワケない。
心ではずっと、そう思っていたんだ。
大和さんがスキ・・・・
この気持ちを認めるコトで、少しだけ変われそうな気がした――

