“触らぬ泉サマに、祟りなし”
コレを昔から、掲げていた筈なのに・・・
「ご、ごめんっ・・・」
「まぁ、いいわ・・・それで――?」
必死で取り繕うつもりだったけれど。
もう次の展開へ、行き急がせる 移り変わりの早さ。
泉には、一生勝てません・・・・
溜め息をつくと、電車での出会いから話し始めた。
まるで、プレゼンしているような口調だけれど。
染みついたスタンスは、今さら変えられない。
・・・泉も、まったく気にしてないし?
全て言い切ると、スゥっと胸の痞えが下りた感じで。
それだけで、どこ楽になれた気がした・・・
すると・・・・
「おめでとう~!」
その言葉とともに、隣に座る私を抱き締める泉。
女の子らしく、キャキャッと騒ぎ立てているけれど。
いったい何に、おめでとうなの・・・?

