「でもさぁ・・・
こ~んな絶品料理を、食べてくれるオトコがいないなんて。
これこそ“宝の持ち腐れ”ってヤツだしぃ?」
カルパッチョを口に運びつつ、失礼発言を連発する。
ほんの少し、ムカッと来るけれど。
だけど、何よりも・・・
“オトコ”の言葉で、大和さんの顔がチラついた。
「ちょっと、真咲!
聞いてんの~??」
無反応な私を急かし、フォークを突き出している。
・・・まるで、インタビュアーのようだ。
「きっ、聞いてるわよ!?
ていうか、亜実が真似するから止めてよ“ソレ”。」
動揺を隠しつつ、フォークを指さす私。
「ハイハ~イ。」
呑気な声とともに、また食事を再開させる泉。
・・・ホント、油断ならない。
ホッとしたのも、ホンの束の間だった。
「・・・だけど。
“宝の持ち腐れ”も、どうやら卒業出来そうねぇ?」
ニヤリとほくそ笑んで、こちらを見つめているから。
は、はい・・・・・?

