「それじゃ、お邪魔しま~す!」
スリッパを履いた途端、ダッシュでリビングへと入って行く。
小言を言ったあとは、すっかり笑顔に切り替わって。
喜怒哀楽の移り変わりも、超特急すぎる泉――
この性格が災いしてか・・・
男友達が多くても、女友達は数えるほどだったりする。
・・・普通の女の子では、付き合いきれないのだと思う。
だからこそ、私とは気が合うんだよね?
泉に急かされ、食事がスタートした――
私と泉はぺペロンチーノ。
亜実は苦手だから、ナポリタン。
その他には、イタリアン系の楽チンメニューを揃えておいた。
「う~ん、さっすが真咲!
どれ食べても、メチャクチャ美味しい~!!」
絶賛している泉に、ちょっとだけ得意な顔をした。
これが数少ない、私の自慢だったりする。
母があまりにも料理ベタすぎて、はじめたお料理。
だけど、いつしか義務が趣味に変わっていた。
家族2人を、満足させることが私の幸せだったから・・・

