うん、そうだよ!!




サラリと、女性の携帯番号をゲットして。


初対面(ほぼ)の私を 抱きしめられるヒトだよ?





あのルックスで、エリートときたら。


女性は、磁石に吸い付く蹉跌のように、ザッと集まりそうだし?




幾ら経験値【ゼロ】に近い私でも。


これくらいは、容易に考えが及ぶよ。





“次”を誘われたコトも。


“抱きしめられた”コトさえも。



彼にとっては、挨拶にしか過ぎない・・・




あの時のトキメキは、まやかしだ。


勘違いも甚だしいね 私は――



考えるだけ時間の無駄・・・



私にはやっぱり、亜実と仕事があれば十分!




雑念と共に沸いた、不思議な想いを断つように。


名刺を裏返して、デスク脇に置いてしまうと。




試算表を手に、再び数字との格闘を再開した――