ライドから帰宅後――
亜実を寝かしつけると、また仕事を始めた。
定時退社だったので、当然残してきた仕事がある。
「・・・よしっ!」
気合いを入れると、取り掛かり始めた。
カタ カタ・・・
静寂の中で響く、キーボードを叩く音。
これは、データ入力確認のハズなのに!
宇都木君に頼んだけど、ミス多すぎ・・・
これでは、入力するよりも時間が掛かる。
宇都木君は明日、お説教決定――!
ホントにもぉ・・・
小心者のクセに、注意力散漫だし。
やる気が空回りなんて、彼のための言葉だよ。
溜め息をついて、入力を終えると、次の仕事へ。
あっ、試算表は・・・と――
「これ・・・」
会社のバッグを探ると、あるモノが目に留まる。
それは、大和さんの名刺だった――

