恋 理~renri~



久々に全速力で走り 保育園へと向かう。


閉園時間にギリギリで間に合えて 些か、ホッとした。




「もぅ、沢井さん! お見えにならないから 心配したんですよ?」


先生からは 小言を言われたけどね。








家までの道すがら ひたすら、亜実に謝っていた。



「亜実ぃ・・・・

今日は遅くなって、本当にゴメンね?」



他の子は、もう誰も残っていなかった。


一人だけで待たせて 本当に、申し訳なくて。




だけど・・・・



「ううん 真咲ちゃんは、お仕事が忙しいでしょ?

だから、亜実は平気だよ!」


罪悪感一杯の私に 笑顔を向けてくれて。



ズキッ――

亜実の表情が、胸を締め付けた。




ごめんね、亜実・・・


“仕事”じゃなかったのに・・・




本当は カフェに、川崎さんといた間。



すっかり、亜実を忘れていた私。



何よりも大切な、貴女のコトを・・・