なのに・・・・
今度は、左腕を囚われてしまう。
すぐ目の前には、大和さんのドアップ。
恥ずかしさから、堪らず視線を逸らした。
「なぁ、真咲・・・
人から無理してるって、言われたこと無いか?」
え・・・?
その言葉に、大和さんへと視線を戻す。
「改札の時もだけど。
さっきの顔、苦痛に満ちた顔していたぞ?
誰が見ても、無理してるとしか思えないだろ?」
私を見据えるその瞳に、吸い込まれそうになる。
「あの・・・私は大丈夫ですよ?
さっき泣いたのは 音楽プレーヤーが戻ってきて嬉しかったからで!
ほら、だから・・・」
思いきり、不自然な態度だと思う。
でも 心配する彼の表情が、私を明るく努めさせた。

