「それでは・・・ 今日は、本当にありがとうございました。」 時間も迫っているし 慌てて、その場を去ろうとした。 だけど・・・・ 「真咲!」と、呼び止められて。 甘さを持つ声にドキッとしつつ、振り返る。 その瞬間・・・ ギュッ―― 大和さんの力強い腕に引き寄せられていた。 え、ええ!? パニックになって、慌てふためく心。 恋愛経験が乏しい私。 どう対処すれば良いか、検討がつかない。 「あ・・あの・・?」 取り敢えず、声を出してみたけれど。 背中に回された腕の力は、弱まらない。