すると・・・・


スーツのポケットから 私に“ある物”を差し出してきた。





「・・・音楽プレーヤー!?」



人気もあって、ありふれた品ではあるけれど。


裏側に、イニシャルをデコレーションしてあるし。



この人の手から、差し出されたことを考えれば 間違いなく、私のものだろう。




「ありがとう・・ございます・・」


手元に戻ってきたことが信じられない。


だって 返ってくる確立は、ゼロに等しいと宣告されていたから。



「良かった、やっぱりキミのだったんだね!」


そう言って、頷きながら微笑んでくれた。



「え・・・?」



「どうやら、荷物を拾ってる最中に 俺のカバンに紛れてたらしく。

帰ってから気づいたモンだし・・・ それで、今日待っていたんだ。」




あぁ・・・・


全ての元凶は、私だったのに。




迷惑掛けるコトばかりしてるし・・・