お気に入りのデスクトップ画面を一瞥してから、カバンを探ろうとすれば。
「え・・・?」
カバンの中を弄ろうとした手が、ピタリとその動きを止めてしまった。
うそ…、どうして…?
荷物を全て取り出して、カバンをひっくり返してみても。
お目当の物である、音楽プレーヤーは一向に出て来ない。
まさか落とした…とか?
そ、それなら…、何処で…?
すっかり眠気も飛んでしまい、焦る心を宥めて帰り道の出来事を思い起こせば。
「――!」
…まさか、あの男性とぶつかった時…?
よくよく考えてみると、荷物を拾い集めることに必死だったし。
そのあとで使うのも憚られたから、考えてみるともうソコしか無い。
うそでしょ・・・?

