両思いになるまで、あれほど労力と時間を費やして、必死で我慢をして過ごして。
そうやって、ようやく勝ち取った筈の幸せなのに。
いつしか心が離れて、必ず別れの時が来てしまう・・・
ある意味、ゲームやギャンブルよりもタチが悪いと思うのはダメ?
こんな屈折した考えを持つのは、生い立ちが関係するかもしれないけど…。
恋愛至上主義の泉には、決して言えない胸のウチだ――
「ホントに真咲は…、よく聞きなさいよ!?
恋愛は“する・しない”なんて、二者択一出来るもんじゃないの!
“オンナは恋してナンボ!恋した数だけ綺麗になる!”
恋愛マスター・泉サマの提言を、ありがたく受け取りなさい」
「・・・・・」
恋愛マスターって…、恋してナンボって…。
そのセリフの数々って、どこかのパクリでしょう――
「聞いてるの、真咲!?」
「ハイハイ――」
こうして1時間、延々とお説教にも似た講義が続いた。

