理由なんて分かっているけれど、敢えてツッコミたくは無いし…。
「亜実ちゃんの近況は、もちろん聞きたいけど…。
アンタの仕事のコトなんて、私は知らないっつーの!」
「う゛、そんな言い方しなくても…」
「ふんっ、じゃあどういう聞き方しろってのよ!?」
「優しく、相手から引き出せるような…、聞き方とか…?」
彼女は気がすっごい強くて発言もキッツイから、たじろいでしまう。
会社の人間は、私に怖いと思うヤツなんてイナイと言うけど。
そんなことはあり得ない、現にココにいるから・・・
「私がアンタに聞いてるのはね、ラブ☆の方よ!」
優しさをプラスして貰えた分には、ヒト安心だけれど。
ぶりっ子した言い方はチョッとキツイ…、でもそこスルーする。
「残念だけど、いつも通りそんなのある訳ないから」
「そんなこと言ってると、すぐに干からびるわよ!?」
「それも一興でしょうよ?
仕事と亜実が楽しければ、私は何も要らないし望んで無いから。
だから恋愛に賭ける、寸暇もなければ意欲もないの。
よって私には“恋愛は毒”にしか思えない、以上…!」
「インテリらしく、御託並べて結論出すんじゃないわよ!」
「でも私には恋愛なんて要らないし、しないから大丈夫よ。
きっと数少ない、恋愛したくない部類の人間だから」
きっと珍種に思われるほど、恋愛に関しては殊更興味も結婚願望もないから…。

