小さなその手を繋いで、すっかり暗くなった夜道をお喋りして帰宅すると。



今日は亜実のリクエストで、卵トロトロのオムライスを作ることになった。




調理をしている間はずっとお絵描きをしたりして、決して邪魔をしない。




本当なら一緒に遊んであげたいけれど…、そうもしていられないのが現実で。



だからこそ調理時間は手早く、でも可愛く仕上げて少しでも喜ぶ顔を見たい。



限られた調理時間の中でも、絶対に手抜きはしたくないから――




「ごちそうさまでしたぁ!」


見事にぺロリと平らげて満面の笑みをくれるから、いつも作り甲斐がある。



このひと時がイチバン、私の満たされる瞬間だなぁ…。



「それじゃあ、お風呂に入ろっか!」


綺麗になった皿を片づければ、ニッコリ笑って亜実とのバスタイムになる。




「今日は泡ブクブクがイイっ!」


「フフフ…、そう言うと思ってもう準備済み~」


「ホント!?やったー」


ちなみに亜実の言う“泡ブクブク”とは、バブルバスのこと。



お風呂好きな母に似たらしく、5歳にしてお風呂に拘るおませさんだ。




そうしてバスルームに駆けていく姿が、どれだけの幸福を齎してくれるか・・・



1人じゃない強みを、亜実から毎日分けて貰っているんだよ…?