私が声を返すとほぼ同時に、ガチャッと大きく開かれたドアの向こうから。
誰よりも可愛くて天使のような笑顔で、小走りに駆けて来る子に表情が緩んでいく。
「わぁ…真咲ちゃん、きれいー!」
「本当に綺麗!大和が見たら惚れ直すわね」
「ふふっ、ありがとう亜実!
お義母さんもありがとうございます」
入室して来たのは母の忘れ形見の大切な妹と、面倒を見てくれるお義母さんで。
「いいなぁー、亜実もドレス着たいなー」
「やーん、亜実ちゃんはまだお嫁に行かないでよ?」
「うん、亜実も離れたくないもん!」
私の姿にキャーキャー騒いでくれる2人は、すっかり波長もピッタリだ。
「それじゃあ真咲…私も行ってるから――ホントに…おめでとう」
すると椅子から立ち上がった泉が、私を見つつ嬉しい言葉を掛けてくれるから。
「…泉、あり、がとう…」
「ちょっと!今から泣くんじゃない…!」
不意打ちにウルッと来る瞳だけど、彼女の叱咤がピタリとその衝動を止めてくれた。

