シンと静まった真っ暗な部屋に明かりを灯すと、リビングへと真っ直ぐ向かった。
「ごめん、着替えて来るから寛いでてね」
「――分かった」
冷蔵庫へと食材を詰め込んだあと、ルームウェアに着替えようと自室へ戻った私。
急いでドアを閉めて、クローゼットからTシャツとクロップドパンツを取り出すと。
長時間座っていてもシワがつきにくい、お利口ワンピに慌てて手をかけた。
店員を押し退けてまでプッシュする泉のお陰で購入した、シンプルなシャツワンピで。
ボディ・コンシャスなデザインなのに、ストレッチ素材で動きやすくて凄い…。
「真咲――」
「…え――や、大和…っ」
そうしてシャツの4つ目のボタンを外したところで、背後から聞こえた彼の声。
ビックリした私は取り敢えず、シャツワンピの胸元を手繰り寄せていたのに…。
「…ごめん、もう待てない」
「・・・ッ」
伸びて来た逞しい腕にそのまま後ろから、ギュッと引き寄せられてしまう。
少しの重みを掛けられる状況は、大和の爽やかな香りをダイレクトに感じて。
いつも以上にどこか熱っぽい低い声色まで、私の鼓動を押し上げていくようだ…。

