スーパーに到着すると、脳内で組み立てていた必要な食材を手にして行く私。
「メニューは何?」
「…ナイショ」
「フッ…、それは楽しみだ」
買い物カゴを持ってくれる大和は、何だかこの場とチグハグな気がしてならない。
「ワイン買うけど、赤か白のどっちが好き?」
「んー、私は白の方が好きかな」
「りょーかい」
だけど優しい表情を向けてくれるから、嬉しくて仕方ない私はすっかり彼に夢中…?
結婚したら彼との毎日が当たり前になるけど、こんな一時を大切にしたいね・・・
食材にお酒に買い込んだ私たちは、たくさんの荷物とともにマンションへ帰宅する。
何だか新婚さん気分を味わえたから、ソレがまた気分をアップさせる材料となるし。
「どうぞ・・・」
「ん、お邪魔します」
大和の車は客用駐車場へ停めて、2人それぞれに買い物袋を提げて部屋へと入室した。
因みに今日は泉が“心配しないで良い”と、亜実をお泊りで預かってくれている。
どんな心境になるかは想像出来なかったし、まして亜実に泣き顔は見せられない。
そんな不安に気づいて、当たり前のように助けてくれる泉はやっぱり親友だね。

