いつになく真剣な横顔を見せている彼に、私はただ固唾を呑んで注視していれば…。
「お母さん…、これからは2人を俺が幸せにします。
お2人のご関係のように…目に見えない絆も真咲さんと作れると思います。
ですから、どうぞお2人をご安心して預けて下さい…」
「…っ」
そうして一礼を重ねた大和が発したフレーズに、ポロポロと涙は零れていくけど。
「わ、私だって…、大和を幸せに、するから…っ」
彼の腕へギュッと縋りつき、母に見せるようにして伝えたい言葉を叫んでしまう。
「えっ、これ以上幸せにしてくれるのか?」
「…私…、負けず嫌いだもの」
「ハハッ、ソレは知ってる!」
「もう…っ、コッチは真剣なのに…!」
軽快にジョークを飛ばしてくれる大和は、もう私には無くてならない存在だから。
大人になってから、これほど笑えるようになれた自分が不思議でならないけど。
幸せは願うだけじゃダメ、どんな形であっても自分で掴み取らなきゃいけない――…
「お母さん、また来るね」
「今度は亜実ちゃんもな?」
「うん、もちろん」
墓地をあとにした私たちは、先ほど通った道を辿って駐車場へと向かっていた。

