ポツンと取り残されてしまった私は、ひたすら心配そうに3人を眺めていた…。



「亜実ちゃん、お菓子好き?」

「うん、だいすきー」


「いや亜実ちゃん、プーさんは好きかな?」

「うん、すきー」


「良かったわ!向こうで遊びましょー」

「わーい」


「母さんズルいぞ!亜実ちゃん、何が食べたいかね?」

「おさかなー」

「おぉ、そうか!母さんお寿司を取ってくれ!」


仲良くなった…のかは分からないけど、亜実の天性の人好きが功を奏したらしい。



2人に手を引かれて和室をあとにしていく光景に、ただハラハラしていれば。



そんな私に落ち着くようにと、隣から肩をポンと優しく叩いてくれる大和…。



「ほらね、何も心配いらなかっただろ…?

2人とも楽しみにしてたんだよ、…アッチの部屋オモチャだらけだぞ」


「ええ!?」


この家の規模から考えれば、オモチャで一杯の光景に目眩がしそうだけど。




「まぁ、ようやく結婚する不肖息子が、可愛い2人を連れて来たら仕方ないって」


「…たしかに、亜実は可愛いけど」


「ハハッ!…真咲、絶対幸せにするから」


「うん…、ありがと…っ」


嬉しい事続きのせいで潤んでしまう瞳を隠さず、コクコク頷いて大和を見つめた…。