私を好きになってくれたコトといい…、大和って不思議なトコロがあるよね?
なんて言う私の方が、“周りの中で一番の変わり者”の自信があるけれど・・・
「大和くんはパパとママいるの?」
厳かな雰囲気を醸し出す日本庭園を一瞥しながら、ゆっくり進んで行けば。
「うん、いるよ」
「いいなぁ・・・」
「っ・・・」
彼が手を引いていた亜実の反応に、私の胸はギュッと締めつけられた。
聞き分けの良い子といっても、幼い亜実の向ける真っ直ぐな眼差しが辛い…。
何も言葉が見つけられずにいれば、その場に立ち止まって亜実の手を包んだ大和。
「これから亜実ちゃんは、たくさん家族が増えて大変だよ?」
「亜実のかぞくぅ?」
そうしてしゃがんで優しく告げると、反芻した亜実の様子に柔らかく笑った大和。
「そう、じいちゃんにばあちゃん、それに俺もこれからは亜実ちゃんの家族だから」
「ほんとぉ?」
「うん、真咲ちゃんも亜実ちゃんも大切な家族だよ」
「っ、やまと・・・」
そんな優しさに触れて思わず彼の名を呼べば、私の方を一瞥して微笑んでくれた。

