だけれど、こんなにも笑っている亜実の顔を見られて、本当に嬉しくて。
私の何よりも大切な子だからこそ、大和に出会えて本当に幸せだね…――
「大和くん、あとどれくらい?」
「んー、あともう少しで着くかな?」
「わかったぁ」
のんびりと車外の移り変わる景色を眺める亜実は、じつに楽しそうだけど。
「真咲…、ヤケに静かじゃん?」
「…だって緊張して、なんか…」
「ハハッ、仕事より楽じゃん」
「全然違うわよー…」
バックミラー越しに後部座席を一瞥した彼のお尋ねに、既にプチパニックな私。
何て言うの?アノ武装もなければ、お得意の営業セールスで繋ぐことも出来ないし。
近づいていく毎に嫌なくらいドキドキして、緊張と不安が入り乱れていたのだ…。
「心配すんな。事前に色々話してあるから大丈夫――
真咲はただ、いつもみたいに笑っていれば良いの。
亜実ちゃん、やっと着いたぞー」
「わー、ココが大和くんのおうち?」
「うん、そうだよ」
彼の一言はどうして、落ち着きを取り戻せるくらい甚大な影響を齎すのかな…?
だけど事訳の分からない亜実を尻目に、またしても私は眼前の光景にフリーズした。

