そんな私は上司としてよりも、年上のクセに情けないコト極まりなかったけど。
今まで散々に子供扱いしていた彼の方がずっと、大人だって気づかされたね・・・
「ホントに私って…」
「…もう良いよ――」
すると順調な走行を続ける車内で、彼が遮るようにポツリと呟いた。
「…どうしたの?」
「アイツの話は、もうしないで良い」
「っ…、ヤキモチ…?」
ピシャリと言い切った彼の声色と表情に、ドキッと鼓動が波打った。
「当たり前――」
“真咲は俺のモノだろ?”なんて、嬉しい言葉を付け加えられて。
優しい表情までバックミラー越しに見れたら、私でも自惚れちゃうよ…?
「ねー真咲ちゃん、真っ赤だよ?」
「な、だ、大丈夫だよ、亜実…!」
するとその時、後部座席の隣合わせで同乗している亜実に覗き込まれて。
「大和くん、真咲ちゃんどぉしたの?」
「ちょっ…!」
事訳の分からない亜実は、すっかり仲良しになった大和に答えを求めたのだ。
「フッ…、真咲ちゃんは俺に愛されて大変なんだって――」
「なっ…、大和…!」
茶化しながら亜実に伝える彼に、亜実がいてもドキドキは止まらない・・・

