遠慮がちに背中に回すと、なおさらグッと距離を縮められてしまって。



その瞬間に、ふわりと男らしい香りが鼻腔を擽って包んでくれるから。



今も頬を伝っている涙の理由がようやく解けて、彼にそっと身を預けたの。




このぬくもりを求めていたんだね、強がりな心はずっと――…




「真咲…、俺に聞きたい事ない?」


「はっ…、いきなり…どうしたの?」


ゆっくり流れていた時間の中で、突然に遥か頭上から届いた大和の声。



「何でも良いから、全部答える」


すると呆気に取られた私の肩をゆっくり引き離し、強い眼差しを向けていて。



「そ、そう言われても…ね?」


「いいから――」


「っ・・・」


苦笑するだけの私をピシャリと制すと、そのままジーッと視線を外させてくれない。