ご注文通りに淹れたお茶と手作りのケーキを食べながら、亜実と話している泉。
強引だったけれど来て貰って良かった…、一人だとソワソワしていたハズだもの。
そんな2人をボーっと眺めていれば、時間はのんびり…でも着実に過ぎていく…。
♪~♪~♪
すると泉の到着から1時間ほどして、机上に置いた携帯の着信音が鳴り響いた。
ビクリと反応した私を見ると、コクコクと頷く泉の視線が突き刺さる。
「・・・っ」
誰からの電話なのかはすぐ分かる…、この着信音に設定しているのはただ1人。
情けなくもドキドキしながら、震えるその手で通話ボタンを押せば。
「も、もしもし…?」
「あ、真咲…、今マンションに着いたけど」
「っ・・・」
それは声を聞くだけで、こんなにもキュッと胸を締めつけられる大和だ。
「真咲…?」
「あ、うん…、すぐに開けるね――!」
「あぁ、よろしく」
此処でもまた上擦った声が出て、意外に小心者だと気づかされるけれど。
今すぐ貴方に会いたい気持ちに乗じて、少しは素直になれるかな…?

