それだけじゃなくて…、大和の事だってそうだ・・・
仕事が忙しいとか、亜実がいるから引け目を感じてるなんて全くの言い訳。
居酒屋で泉が教えてくれたというのに、ソレさえも素直に聞き入れないで…。
意地を張ったり、怖がっていても、前に進む事なんて出来ない。
“はっきりさせなければ、気持ちが離れていく…”
亜実との事も然りだけれど、何事にも切実にそう思う事が出来たから。
だから今日は、私から大和に連絡してみよう…――
水族館をあとにして帰宅する私たちは、タクシーに乗り込んでいた。
電車を乗り継ぐのも面倒だし、たまには贅沢したって構わない…。
無駄遣いしないようにしているけれど、私の稼ぎでも十分生活出来るから。
・・・これでも一応、役付けの人間だしね…?
今までの貯蓄や財産もあるから、イザという時も困りはしない蓄えはある。
母の遺産には全く手を付けていないし、それに…――

