“彼氏がいる”と言えない不安は、いつ自信に変えられる…?
私は貴方の彼女だと、名乗っても良いのかな・・・?
「わぁ、かわいいー!
…あれ真咲ちゃん、隼お兄ちゃんはぁ?」
「…え、あっ、あぁ、お仕事で帰ったわよ?」
「えー、さよなら言ってないよぉ!」
定食屋さんに隣接する、ペットショップのワンコに夢中のようで。
運が良いとでも言うのか…、先ほどの話は聞いていなかった亜実。
「そっ、それより…、これからどこに行きたい?」
そんな彼女の問い掛けで我に返れた私は、ムリヤリ話題を変えたのだけれど。
「…真咲ちゃん、お仕事たいへんだもん。
亜実なら、いいよ・・・?」
「っ・・・」
いきなりショーケースのワンコたちから、視線をふっと下げたあと。
一気に沈んだ声色を返す亜実に、グッと心が締め上げられた。
この小さな身体で、どれほどの辛さを耐えていたのか…。
本来ならば、親に一番甘えたい時期だというのに・・・

