恋 理~renri~



この場ですぐ、次の取り決めをするの・・・?



「そ、そうねぇ・・・

予定も分からないし、追々決めた方が良いと思うわ…。

ほ、ほらっ、どのみち毎日顔を会わせてるんだし!」


動揺を悟られないように、私なりに最善の返答をしたつもりだけれど。




「そうですか・・・

それなら会社で、バンバン提案しますね!

俺…、真咲さんの事が好きになりましたから」


「・・・・・」


ニッコリ笑っている彼のあまりにも突拍子のナイ言葉に、唖然としてしまう。




だって、間違いじゃなければ“好き”とか聞こえたよ…?





「…真咲さん、聞こえました?」


「へっ!?」


グルグルと駆け巡る思考を寸断されるように、宇津木君の声が響き渡って。



対峙する彼の表情を見れば、いつになく真剣な瞳をしていた・・・




「もう一度言いますけど…、俺は貴方が好きです。

川崎さんと上手くいってないのなら、絶対に諦めませんから。

それじゃ、今日はこれで失礼します!」


「・・・っ」


踵を返して会社へと戻る彼の後姿に、呆然と立ち尽くすだけだった。




大和…、どうして私はハッキリ言えなかったの・・・?