亜実が夢中になって食べている姿を見ると、それだけで嬉しくなる私。
亡くなった母にそっくりな亜実が、唯一の家族で宝物だから・・・
「あ、そう言えば・・・
あの川崎さんという方と、どうなりましたか…?」
亜実に夢中になっていれば、向かい側の宇津木君から不意に尋ねられて。
「えっ・・・!?」
その問いに驚きを隠せず、目をパチクリさせながら彼に視線を向けた。
「いや…、何かずっと気になってたんですけど…」
バツが悪そうに頭を掻きながら、こちらを窺ってくる彼。
「あ、そうよね・・・」
アノ日の展示会の一件について、宇津木くんは何も聞いてこなかったし。
忙しさに感けていたせいで、すっかり頭から抜けていたのだ・・・
どう答えるのが、正解なのかな――?
大和と恋人同士になれたのに…、自信がなくて言葉に出来ないよ…。
完全に言葉に詰まってしまった私の視線は、どんどん伏せていく。

