やっぱり私が、寂しい思いをさせてるんだよね・・・
「それにしても亜実ちゃんって、よく食べますね…」
「でしょう?下手したら私より食べるのよ。
この小さな身体のドコに入るか、不思議なのよねぇ…」
そんな会話をするお店は、会社から目と鼻の先にある和食屋さん。
「それにしても、美味しいわね!
お手頃だし、宇津木君に任せて良かったわ」
「そうでしょう!?
安い・早い・上手いの3拍子揃ってて、朝倉の社員も少ないんですよ!」
「へぇ、そうなんだぁ…」
私はオフィスにお弁当持参だし、ランチや社食に出掛ける事がないけれど。
界隈を食べ尽くしたと豪語するので、彼にお店のチョイスをお任せしたのだ。
「シュンお兄ちゃん、お魚美味しいね?」
「ハハッ、そうだよねー」
満面の笑みで亜実がモリモリ食べてるのは、サバの味噌煮。
実は私のメインだったりするけど、亜実は痩せの大食いでガッツリ食している。
どうやらこれも、母の遺伝らしいけれど・・・
私は節制しなきゃダメだから、その羨ましい体質は欲しかったな…。

