恋 理~renri~



「亜実ちゃんは、いくつなの?」


そうして私が動揺していると、またしても彼にはスルーされていた。



「5さいです、お兄ちゃんは…?」


「あっ、ごめんね!

お兄ちゃんは、宇津木 隼(シュン)って言うんだ。

亜実ちゃん、よろしく!」


「うん、シュンお兄ちゃん!」


人見知りしない者同士なのか、私だけが蚊帳の外みたい・・・




「そーいえば、係長はどうして会社に?」


「…大事な資料を忘れて、仕方ないから取りに来たのよ。

急だったから人に亜実を頼むのも悪いし、今日は連れて来たの」



彼のボケっぷりというか、あまりの鈍感力を前にして。



今頃聞くワケ!?などと、思わず突っ込みそうだったけれど…。




「そうだったんですか!

俺に連絡くれればお届けしましたよ?」


「あのねぇ…、幾ら私でもね…。

休日まで拘束するつもりないし、ましてや私がドジしただけよ?」


飄々と言いのけた彼を、自身のドジと共に笑い飛ばしていると…。




「いいえっ!

俺は係長の為なら…、いつでも飛んで行きますから」



「え・・・?」


宇津木君・・・?