だけれど私には守るべき、たった一人の家族と仕事がある。
それが私の唯一のプライドであり、誇りとなっているのかもしれない。
だからこそ、“女のクセに…”
そう言われないようになるのなら、喜んで女の武器なんて消してやるわよ!
どのみち私は、結婚するつもりも相手もいない。
恋愛なんてする時間さえ私には無いし、むしろ無駄だと思っているから。
普通の女性じゃないもの…、私はね――
そう考えた時から、仕事では一切のお洒落をしなくなった。
女としての魅力ゼロの私には、男に対抗する手段として容易い事だったけれど…。

