恋 理~renri~



この人なら…、絶対に信頼出来るって思えたの・・・



「それじゃ、いつでも連絡して来いよ!

俺もするからな?」


「うん、ありがとう…」


大和が乗車してエンジンをかけた車は、発進のスタンバイも万全で。



これで今日はお別れだと思うと、寂しさを感じずにはいられなかった。




「おやすみ、真咲」


「おやすみ…」


私の言葉を聞き終えると、フッと一笑してから颯爽と発進して行った。



すっかり夕闇に包まれた中で、遠くなるテールランプを見つめていた…。





「…なにしてるの?」


マンションのエントランスを抜けると、ニヤけた顔つきの泉と亜実を捉えて。



「何って、待ってあげたのよ!」


「ハハ…、ありがと。

今日は奢るし、これからご飯食べに行かない?」


彼女の声色から機嫌の悪さを感じ取って、食事に誘ってみれば。



「当然ね、お腹ペコペコだし早く行くわよ!」


「ハイハイ…」


奢りの言葉は、いつものように絶大な効果を発揮したらしく。



亜実の手を引いて歩き始めた泉と、そのままマンションをあとにした。