人を好きになるのって、本当に不思議なモノだね…?
あんなに頑なだった心が、急速に溶かされていくなんて・・・
甘い空気を漂わせつつ発車すると、このまま食事をしようと誘われて。
張り詰めていたものが解けたせいか、途端に空腹感を覚えるゲンキンさ。
信号待ちの為に停車すると、顔だけをこちらに向けて一笑してくれる彼。
「何がいい?」
「え…、うーん・・・
好き嫌いないから、お任せにしてもイイ…?」
大和の好みを知りたくて、実はお任せにしたのだけれど…。
「フッ、了解!」
「っ・・・」
頭をポンと撫でられたあと、信号が青へと変わってまた発車していく。
優しくて格好良くて…、ちょっとクダけている大和。
不慣れな状況に、胸がキューとする感覚がずっと取り巻いていて。
ハンドルを握る彼の隣で、ドキドキだけが鳴り止まなかったの・・・

