私なんかが気持ちを伝えても、本当に許されるの…?
「私も…、好きです…」
グイッ――
伝えられたと安堵した瞬間には、再び彼に引き寄せられていた。
「ハァ、良かった・・・」
「・・・え?」
いつもは落ち着いた印象の彼が、初めてついた溜め息に驚いた。
「いや、真咲さ・・・
俺とアイツの前では態度が違うし、振られると思ったんだよ…」
「あ、あいつ・・・?
一体、誰のことですか?」
抱き締められていて、彼の表情は窺い知れないけれど。
「え…、それを言わせる訳?」
声色から伝わるのは、どこか焦っているように思えた。
「…宇津木とかいう、オマエの後輩だよ!」
「う、宇津木君ー!?」
投げやりに齎された人物に驚いたのは、言うまでも無い。

