恋 理~renri~




このままだと、私が、私じゃいられナイ・・・




パシンッ――

大和さんの手を振り払おうと、叩いてしまう。




「真咲・・・?」


「っ…、優しくしないで下さいっ!」


涙をササッと拭うと、必死であしらおうとした私。



何かを言わなければと思って、ついて出た拒否の言葉。



それは物凄く、利己中心的でしかないけれど――




なのに、どうして・・・?




どうして貴方が、悲しそうな瞳をしているの?




どうして、傷ついたような顔つきをするの?




「私…、タクシーで帰ります・・・

今日は、ありがとうございました…」


視線も合わせられず、捲くし立てるように告げた私。



もう、逃げたい・・・




グイッ――

シートベルトを外そうとした時、その手を制されてしまう。





「ダメだ、俺が送るから――」