そう思うほどに、社内の人間と関わっていないのも事実で。
少しは反省しなきゃと、思えてしまう・・・
「今度飲みに行きましょうよ!
もっと係長のこと、知りたいです」
「そうね~・・・
でも妹がいるし、夜は出かけられないのよ」
宇津木君だから、打算的なことは考えてないハズ。
だから私はついつい、秘密をバラしてしまった。
「え…、妹さんですか?」
「そう、両親が亡くなって2人暮らしなの。
まだ5歳だから、一人にしておく訳にいかないしね~」
母は亡くなったけれど、もう1人の事はウソをついた。
アノ人なんて、死んだも同然よ・・・
「へー、そうなんですか。
もしかして、いつも早く退社される理由って…」
「鋭いわね…、そうそう妹のお迎えよ」
「凄いですね!
仕事と育児を両立するなんて・・・」
「そんなことないわよ。
妹のお陰で、私も頑張れるし…」
感嘆する宇津木君に、軽く頭を振った。
亜実がいるから…、だから私は頑張れるもの。

