混雑している会場とは違い、昼時を過ぎた喫茶ブースは空いていて。
注文した数々は、すぐにテーブルへと運ばれてきた。
「あー、美味い!」
出来立てで湯気の立つ料理を、バクバクと口へ運ぶ宇津木君。
豪快に食べる姿を見ていると、清々しい気さえする。
モヤモヤした心を晴らしてくれるように・・・
「な、何よ?」
「いや…、今日は全く雰囲気違いますよね?
勿体無いなーと・・・」
アイスティーを飲みながら、私を注視している。
「え?」
「普段は折角の美人を、台無しにしてますよ!」
「アハハ、何を言うかと思えば!
お世辞無しでも奢るから、安心してよ?」
彼の言葉が面白くて、声に出して笑ってしまう。
「いえ、俺はウソはつきませんから!
今日の係長は、マジで綺麗ですよ」
そうしてジッと真剣な瞳で、私を見続けてくる。
「も、もう冗談はいいわよ!
それに私は、アノ恰好が気に入っているの」
オン・オフの切り替えが出来る、大事な戦闘服だから。

