熱くなりすぎたせいで、恥をかくなんて・・・
「クククッ・・・」
「もう…、笑いすぎ!」
さっきの姿を思い出しているのか、笑い続ける彼を睨む私。
まったく…、誰のせいで・・・
「ハハッ、すみません!
係長の方が事細かに知ってるのが、おかしくて…」
謝りつつも、笑いを堪える彼をもうヒト睨みした。
「そんな事無いけど…。
新製品カタログから、特徴全てを暗記してるの」
「え…、全部ですか!?」
「まぁ、自然にインプットされるのよ」
「自然って・・・
さすが東大卒の才女ですね!」
出た・・・また“東大”に託けられてしまう。
これを特技だとは、言って貰えない――
「そんなんじゃなくて。
覚えたくない事まで記憶されるし、良い事ないわよ…」
見たくない、聞きたくないことまで、消去できないもの。
厄介な代物だよ・・・

