恋 理~renri~



失恋って、辛いモノなんだね・・・



「そうだったんですね!

でしたら、その間ご一緒させて貰えませんか?」


「え…、部長はどうしたのよ?」

宇津木君の言葉で、ハッと我に返った私。



「それが部長…、知り合いと会ってから、一時間以上戻らないんですよ!

だから、この機会に色々と教えて頂けませんか?」

部長に対しての鬱憤が、今日でまた蓄積した様子の彼。



アノ能天気さに、部内全体が迷惑しているけれど。


部長は口達者なせいか、人脈だけはある。


それが有能といえるのかは、また別次元だろうね――




「いいけど…、切断機は混んでるし、別に行かない?」

そんな思いを巡らせた私は、クスッと笑って返した。



「ハァー、助かりました!

一人で訳も分からず、暇を持て余していたんですよ…」

安堵する彼の表情に、また笑いが込み上げてくる。


「これも折角の機会だし、ね!」


「そうっすね!」


宇津木君には新人の中でも、密かに期待している私。



ドジだし、ノロいし、イラッと来る時もあるけれど。


それでも、やる気だけは削がないタフさを持ち合わせている。


彼のお陰で、チクチクと痛みを覚えていた心が和んだの。



1人きりだと、大和さんの事ばかりを考えていたから・・・