「それじゃ、後でな?」
「はい!」
その言葉で一旦離れると、別行動に移った私たち。
そうして会場一番の賑わいを見せる、切断機のブースへ向かった。
予想通りの人だかりに、少々ビビりつつ・・・
彼が何処のブースへ行ったかは、聞いていない。
だけれど、今の状態では一緒に居なくて良かったかも。
一緒にいる分、気持ちが募っていくから・・・
あれほど楽しみにしていたブースなのに、ぼんやりと眺めていた。
グイッ――
そんな時に、不意に肩を掴まれた。
「・・・!?」
驚きつつ、後ろを振り返ってみると・・・
「あ、やっぱりー!」
「う、宇津木君っ!」
その犯人は、後輩の宇津木君だった。
「ど、どうして貴方が此処に!?」
驚いた私は、声を荒げて尋ねてしまう。
「それがですねぇ・・・
課長が都合悪くなったらしくて、僕にお鉢が回ってきたんですよ!」
そう言う彼は項垂れつつも、明らかに嫌そうな表情だ。