ついつい私は、溜め息をついてしまう。



「真咲、どうかした?」


「え・・・?」


どうやら受付嬢の話し声は、届かなかったらしく。


苦笑している私を、心配している彼。



「もしかして、体調でも悪い?」


「いいえ、行きましょう!」


何とか営業スマイルを作ると、スタスタ会場へ入った私。




だけれど、笑顔とは裏腹に。


内心ではもう、どん底に沈んでいる・・・



仕事中の・・・、いつもの私なら――


どんな罵倒を浴びようとも、何てことも無いのに。



彼のコトになると、どうしてこうも弱いのかな・・・




だけれど、誘ってくれた彼のために。


私は精一杯、楽しまなければならない。



そのためにも“仕事”だと、必死に言い聞かせていた。