さっきの話題は尾を引いて、随分と彼に苛められた。
その度に、彼への想いが強くなるのに・・・
「そう言えば、真咲は何処の大学行ってた?」
大学時代の話をしていた彼から、齎されたモノ。
それは私にとっては、チョッとしたトラウマ。
答えて良いのかな・・・?
“東大”出身って、今まで退かれていたから――
でもね・・・・
「・・・東大です」
答えないワケにもいかず、意を決して口にした。
「へぇ、やっぱりな!
これだけ理工学に詳しいから、予想はしてたけど?」
涼しい微笑を浮かべて、運転する大和さん。
「・・・退かないんですか?」
「どうして?」
私の問い掛けに、声色が低くなった。
だけれど、驚かされたのはコッチだよ。
「だって・・・
東大出身って言うと、男の人に退かれていたので・・・」
苦笑して、あまり重い空気にならないように心がけた。

