彼の冗談から、会話が始まった。
大和さんは、自社の工作機械のリース契約を取り纏めていて。
云わば、私とは“同業者”に中る仕事をしている。
だけれど彼の会社規模は、世界的な大企業――
本社がアメリカにある為、出張もコンスタントにあるらしい。
周りとは比べ物にならない、本当のエリートだと確信した。
そのうえ、この格好良さ・・・
こんなのって、アリなワケ!?
ジッと凝視していたためか、運転中の彼に気づかれてしまう。
「熱~い視線を、感じたけど――?」
口角を上げて笑う彼は、どうやら楽しんでいるようだ。
「ち、違いますっ!
けっ…、景色を見ていただけです!」
「へぇ~、景色ねぇー?」
「っっ!」
必死で否定したけれど やっぱりからかわれてしまう。
彼の前では、冷静になんてなれない・・・

