恋 理~renri~



ホント、大和さんって凄いなぁ。


運転する横顔ですら、色気を発しているし。



何なのよ、このフェロモン・・・


女性の私のほうが、見につけなきゃダメでしょう?



というか、今さらなんだけど。


極上な男の助手席に、私なんかが収まっていいの?



どう考えても、不釣合いでしょうよ・・・





「真咲、今日はやけに静かだな?」


赤信号で停車すると、こちらを向いて尋ねてきた。


「えっ…、そうですか?

久々の展示会だから、ちょっと緊張していたり・・・」


うわぁ、かなり苦しい言い訳だ・・・


でも、本心なんか話したら退かれちゃう。



だからニッコリ微笑んで、そう返しておいた。




「ハハッ、本当に面白いヤツだな!」


知ってか知らずか、口元を緩めてニッと笑っている。


「っ・・・」


初めて見た笑みに、心臓の鼓動が煩くて仕方がナイ。


絶対に、顔が赤くなってるよ・・・



幸い信号も青に変わって、顔を見られずに済んだけれど。