「・・・真咲?」
「あ…、ごめんなさい!」
最近、ボーっとしすぎだ・・・
「それで、予定は大丈夫なの?」
「・・・・・」
明日は・・・予定はない、けれど。
でも、亜実はどうするのよ・・・
すると、その時・・・
トントン――
ずっと隣にいた泉が、私の肩を優しく叩いた。
それから親指と人差し指で、OKマークを作っていて。
口パクで“いいの?”と聞くと、親指を立ててくれた。
泉・・・
「お待たせしてすみません・・・
行きたいです…、同行させて頂けますか?」
「もちろん!急に無言になるから、断られるかと思った!」
「えっ、ホントにすみません!」
「フッ、“結果良ければ全てよし!”なんて?」
「なぁんか、違ってますけどぉ?」
「俺って、創作言葉が好きだから!」
諺を捩って茶化す彼に、心は完全に攫われていたの・・・

