私の楽しみなのに、今年に限って・・・
部長が行くって言うから、仕方なく諦めていた。
宇津木君情報だと、部長は熟年離婚をしたらしい・・・
だから、暇を持て余しているそう。
そんなふざけた理由で、招待状を奪われたのだけれど――
「…っ、プレミア招待状が――!」
「プレミアって、真咲大袈裟・・・」
私の声に、今度は声を上げて笑った彼。
「いいえっ、今の私にとっては!
一番、希少価値のあるお品ですよ!?」
喉から手が出るほど欲しい私は、力強く言い切った。
「ハハっ、希少価値とか・・・
本当に真咲と話してると、飽きないな?」
それにもまた、笑われてしまった。
でも私は、別のフレーズに囚われていた。
“飽きないな”って・・・・
あの時も、面白いって感じてくれたの――?

