そんな私の返事に、一笑すると・・・
「それより――
突然だけど、明日って予定ある?」
え・・・・?
「明日・・・ですか・・?」
思わず、間の抜けた復唱をしてしまう。
盗み聞きの泉は、口を押さえて声を抑えているらしい。
私は驚きすぎて、反応に困っているのだけれど・・・
「うん、知り合いから招待状貰ってさ!
新型工作機械の展覧会だけど、参考になると思うぜ?」
「展覧会・・・ですか?」
ん・・・待てよ――?
明日行なわれる、展覧会って・・・
「…っもしかして!
その展示会の主催って、【西部】ですか!?」
「おっ、あたり!よく知ってるな?」
「勿論っ、朝倉のライバル社ですから!
うわぁ~、行きたかったんですけど・・・
数少ない招待状を、上司に奪われていたんです・・・」
西部の展示会は、少し特殊なモノで・・・
顧客や同業者に配布される、招待状が無いとダメなのだ。
ウチとは競合関係だけれど、必ず招待状が送られてくるの。

