私もいっそ、もっと仕事に打ち込みたい。
こんな心境に、陥るくらいなら・・・
「そんなことは、良いんだけど――
2人がスーツだったってコトは、仕事で来てたに違いないわ!
それと、吉田さん情報では・・・
川崎さんってモテるのに、特定の彼女がいないんだってー!」
ニヤニヤしながら、ババッと言い切る泉。
「え…、それって信憑性あるの?
吉田さん自体は別に、彼と知り合いじゃないでしょう?」
「それは、そうだけどぉ!」
「あのスマートな、身のこなしを見ると遊び人だと思う。
やっぱり私には、無理があったのよ」
自ら、期待を断ち切っておきながら。
言葉にすると、どんどん悲しくなる。
すると、その時・・・・
♪~♪~♪~
携帯電話の着信音が、鳴り響いた。
誰だろう、こんな時間に・・・?
時計に目をやれば、もう23時を回っていて。
この時間帯に掛けてくるのは、友人以外はあり得ない。
考えつつ鞄の中を探って、携帯電話を取り出した。

