恋 理~renri~



きっと誰かに、縋りつきたかったの・・・



「ヨシヨシ・・・

箸が止まってた時に、彼を見たの・・?」


「う・・んっ・・」


光景がフラッシュバックして、胸がギュッと苦しくなった。



「どんな感じ、だったの?」



「・・・『川崎様』って言うのが聞こえて、思わず振り向いたの。

そうしたら、すごく綺麗な女性と一緒に個室に・・・」


泉から離れると、溢れる涙をタオルで拭った。




「ねぇ…、2人のスタイルってどうだった?」


スタイルって、服装のことかな?



「えっ・・と・・確か、スーツだった・・・」




大和さんは、会った時のようなスーツ。


女性の方も、グレーのパンツスタイルだった気が――



光景を思い出すと、かなり切ない・・・


でも…、何でこんなコト聞くの?




その言葉を聞いた途端、泉がニヤリと一笑した。



「ちょっと、待って!!」


そう言って、携帯電話を取り出して掛け始めた。



どこかに、電話してるの・・・?